コラム

Column

2020/12/03 農作業の現場から

田んぼを管理する意味

見事にハマった草刈り機

見事にハマりました…。
それも、今年耕作をしていない休耕田で…_| ̄|○
何をしていたのかというと、休耕田の草刈りです。「作らないならほっとけば?」と、思われるかもしれません。

確かに、経営だけを考えれば、放置していたほうがいいんです。耕作をしていないということは、この田んぼから売上(作物を栽培しての収入)は得られません。それなのに、経費だけかかるわけですから。が、何年も放置すると、もはや荒れ地となってしまいます。農地に戻すには、かなりの手間がかかりますし、耕作している周辺の田んぼにも迷惑がかかる場合があります。動物の進入や、米の品質を落とすカメムシの住処ともなってしまいますので…。

ちなみに、田んぼを何年も放置するとどうなるかと言いますと…

耕作放棄地の現状

ご覧の有様…。
ここには、確か4枚ほどの田んぼがありました。木が生えているところは、私の祖父が10年ほど前までは耕作もしていました。ところが、この田んぼに入るには、かなりの急傾斜を下っていかなければならず、高齢の祖父母だけでは危険だということで、耕作を断念することになりました。
耕作を止めても、数年は草刈りなどを行っていたと記憶しています。その草刈りも止めて、完全に放置すると、このような状況となります。

この田んぼは、周りに人家もなく、まさに山の中にある田んぼなので、周囲に与える影響はかなり限定的です。ですが、想像してみてください。人家が点在する農村において、このような光景が広がる姿を…。この周囲に人家が点在する光景を…。そのとき、その農村はどうなっているかを…。
用水が詰まっていても放置。用水から水があふれるから、災害も発生する。
そう、農村において、農地の荒廃が進むということは、集落の荒廃をも意味することになるのです!

とは言え、農業人口の減少と、農業者の高齢化は著しく、このような田んぼが年々増えていく現状…。


「それでいいのか?世界農業遺産!!」
「世界に誇れるこの農業の現場を守り、伝えていこうよ!!」
「少しずつかもしれないけど、お客様にも『すごい美味しい!』って褒めてもらえるお米が作れる環境じゃん!!」

機械がハマったり、トラブルが発生したりすると、いつもそんなことを自分に言い聞かせながら、気持ちを鼓舞して日々悪戦苦闘しております(;^ω^)